One's habitat Blog

ホームページ「One's habitat」の付属ブログ。何屋かと訊かれたらオカヤドカリの人です。無断転載ダメ。

イワサキセダカヘビ

イワサキセダカヘビ

Pareas iwasakii

Pareas iwasakii

 八重山3珍蛇の一角であるイワサキセダカヘビをようやく見ることができました。3珍の中では割と見やすい種なのですが、なかなか巡り会うことができませんでした。セダカヘビ科はアジアに広く分布し3属に分類されていますが、日本のセダカヘビは本種のみです。変態蛇の中でもかなり特殊なカタツムリ専食という生態で、殻から身を引き出すために独特な顎を持ちます。

イワサキセダカヘビ

 樹上棲で、発見時も2m程の高さにいました。サキシマハブを警戒して地面を見つつ、樹上を探さないといけないので歩くのに時間がかかる探し方をしないといけません。足元を見る人と樹上を見る人で役割分担するのも手ではありますが。

イワサキセダカヘビ

 非常に撮影しやすいヘビでした。なんと言っても動きがスローですし、良い体勢で止まってくれます。サキシマアオヘビとかは見習って欲しいですね。

ヤエヤママルバネクワガタ

ヤエヤママルバネクワガタ

Neolucanus insulicola insulicola

ヤエヤママルバネクワガタ大歯

ヤエヤママルバネクワガタ大歯

 八重山3珍蛇とヤシガニを探しに行っていたのですが、時期が時期だったのでクワガタ屋の帰結先の一つであるマルバネ探しに現地の知り合いに誘っていただき見てきました。自身の開拓では見つけることのできる気がしない対象だったので、非常に良い機会を与えていただけました。山の中をズンズン進んでいき発生木を見て廻るのですが、聞いていたとおり結構大変でした。

ヤエヤママルバネクワガタ中歯

ヤエヤママルバネクワガタ中歯

 今回は2020年10月5日の一晩のみの探索ということで発生にはまだ時期尚早と思っていたのですが、充分に楽しむことができました。全然自分では見つけることができなかったのですが、いた!という声の方に顔を出して覗き込んでみると、非常に美しいワインレッドの身体が目に入りました。あぁなるほど、これは宝探しだと思いましたね。発生初期ということもあり傷も少なく写真映えする個体ばかりでした。周辺ではヤエヤマネブトクワガタやヤエヤマネッタイコシビロダンゴムシも多数見られ、副産物も充実。マルバネ系は上記の通り入れ込んでいる虫屋が多いので、ブログ記事も充実したものがネットに散らばっているため、詳しい採集記みたいなのは探してもらえれば出ると思います。

マレーキャットゲッコー ブリード

Breeding of Malay Cat Gecko Aeluroscalabotes felinus.

マレーキャットゲッコー

マレーキャットゲッコー♀親1

 実は今年マレーキャットゲッコーをトリオで導入し、ブリードに挑戦していました。ボルネオができたんでマレーもできるだろうと思い、全く同じセットで飼育していたら特に変わるところなく成功。ボルネオのブリードがまぐれではないことがわかって結構嬉しかったです。

キャットゲッコーブリード

マレーキャットゲッコー2020CB

 今回は親が卵を2個ともしっかり生むことができず、1匹のみの孵化。とはいえまだ後ろに4個の卵が控えているのでワラワラするのが楽しみです。最初の壁である餌付けも上手くいったようで、取り敢えずは安心かなと。にしてもボルネオとはベビー特有の部分もやはり色々と違っていて面白いです。

キャットゲッコー飼育

マレーキャットゲッコーCB

 マレーキャットゲッコーはマレーシアンキャットゲッコーなり少し呼ばれ方にブレがありますが、マレーが最も的を得ていると思います。マレーシアンと言ってしまうと、ボルネオキャットもマレーシア側にいるのはマレーシアンになるじゃないですか。マレー半島(Malay Peninsula)のキャットゲッコーという意味合いを持たせると、マレーキャットゲッコーがしっくりきますね。まぁ、厳密にいうとこれも完全に的を得ているわけではないのですが、そこも考慮し始めると完全に別の呼び方をしなくてはならなくなります。現時点ではこれで充分かなと思います。

 

キャットゲッコーについてまとめたものはこちらにてどうぞ。

キャットゲッコー

 

※2022年3月6日追記

BASEにてキャットゲッコー マウスパッド販売中です。

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ツシママムシ

ツシママムシ

Gloydius tsushimaensis

ツシママムシ

 ツシママムシ対馬固有種で、模様がハッキリとした眼状紋にならない点や、舌が桜色を呈するところからニホンマムシと種判別されます。とはいえ最も有名な差異は、非常に攻撃的であるということです。ニホンマムシは基本掴んだり踏んだりしない限りは咬んでくることはあまりないのですが、ツシママムシはそれはもう跳び掛かってきます。体勢を弄るために枝で刺激すれば枝に咬み掛かってくるし、ストロボを近付ければ動きに合わせて跳んできます。こっちが動くとそれにも反応してくるので危険です。

Gloydius tsushimaensis

 刺激を受けると身体を平くして威嚇します。気付かずに近くに足を踏み下ろしただけで咬まれる例もあり、個体数が尋常じゃなく多いらしいことも含めて対馬の人からはかなり警戒されている蛇になります。撮影していて楽しかったですが、ハブを撮っているような気分になりました。焦点距離のあるレンズじゃなきゃ怖くて撮れませんね。

オビトカゲモドキ

オビトカゲモドキ

Goniurosaurus splendens

Goniurosaurus splendens

 オビトカゲモドキは徳之島固有のキョクトウトカゲモドキです。クロイワの亜種ではなく、別種として分類するのが有力なようです。国産ゴニの中でも特に小柄で、シェルピンクの体色も相まってとても可愛い印象。県指定天然記念物かつ種の保存法に指定されており、厳重に保護されています。

This species is designated as a natural monument. Japanese Goniurosaurus is prohibited not only by catching but also by touching and is strictly protected by Japanese low.  If you see wild captures for sale, they have all been illegally captured and smuggled in.

オビトカゲモドキ

 本種を探したのは一晩のみでしたが、2桁は軽く見れました。聞いた話でも個体数は少なくなく、まぁ見れる感じです。やっぱり日本のトカゲモドキはレア産地とか攻めない限りは見やすいですね。南西諸島は生き物屋に優しすぎます。

Goniurosaurus splendens

 当歳個体も見れました。バンドのシェルピンクがより目立ち、良いですね。実は国産ゴニは今回のオビでクロイワに次いで2種目。なんか機会があればクメも見たいですが、目下キャットをば。

九州のタワヤモリ

タワヤモリ

Gekko tawaensis

タワヤモリ

 瀬戸内海沿岸域の周辺における海岸沿いから山地の岩場に生息している西日本固有種。九州では大分県が有名です。体色を大きく変化させるため、夜間の平常時はニホンヤモリより少し模様が強いかな程度ですが、興奮時は美しい黒と金のコントラストが浮き出ます。何個体か見るとパッと見でニホンヤモリと区別つくようになりますが、最初は悩みました。

 尾の基部左右に一対の大型鱗(側肛疣)を持つ

 背部や四肢に大型鱗が存在しない

 興奮時には黒と黄の発色が強くなる

これらを以て判別できると思います。

タワヤモリ

  今回は海岸林の法面にて多数観察できました。産卵は排水穴にて確認し、多産エリアの開拓に成功できたと思います。関西エリアは両爬屋が多いので情報はそこそこ出てきますが、九州個体群の写真は少なめでしょう。次は山間部の岩場で見てみたいですね。

Gekko tawaensis

 トビハミという方言名が四国にはあり、マムシのような毒があると信じられていました。ヒバカリみたいなもんですね。

カラスヘビ シルバーアイ

カラスヘビ シルバーアイ

Elaphe quadrivirgata "Melanism and Silver eyes" Double mutation

カラスヘビ シルバーアイ

 カラスヘビは一般的にシマヘビの黒化型(メラニズム)個体のことを指します。本来シマヘビは茶色で、背に黒線が入る赤眼のヘビです(背の模様は差が大きい)。しかし本種は黒化型個体が非常に現れやすく、地域によってはどちらが多いかわからなくなるほどだったりします。黒化型は先天的に体組織におけるメラニンが過剰に生産される変異です。つまり全身が黒くなります。シマヘビも黒化が濃い個体は、顎下に僅かに白鱗が残る程度で全身真っ黒になります。虹彩も黒くなり、真っ黒なつぶらな瞳になるのですが今回(2019.9)、虹彩が銀色のカラスヘビを見ることができました。

カラスヘビ 色彩変異

 よくわかりませんがメラニスティック&アネリスティックとかなのかなと思います。とにかく相当珍しい個体ですね。ガラッと雰囲気が変わり、まるでクサリヘビのような印象を持ちました。なぜ捕獲しなかったかと言われましたが、写真撮ってる時はなんか雰囲気違うなという違和感は感じていたもののその理由には気付けなかったという。