One's habitat Blog

ホームページ「One's habitat」の付属ブログ。何屋かと訊かれたらオカヤドカリの人です。無断転載ダメ。

トカゲモドキ Field Note

トカゲモドキ Field Note   One's habitat

トカゲモドキ Field Note

トカゲモドキ Field Note

 東アジア、東南アジア、南アジア、アメリカを旅してトカゲモドキの現地観察に勤しんでいました。海外遠征で目的の生き物を見つけることは相応に難易度が高く、トカゲモドキ類は生息地への行きにくさや治安の悪さを要因としてなかなか国外で観察している日本人が少ない状態です。日本で他に誰もやれてないことをやる。魅力的なことではないですか。

 いろいろ頑張ったところ、結果も伴ってアフリカを除く世界でトカゲモドキ科4属8種をガイドも雇わずに自己開拓で現地観察することができました。自分で0から産んだ情報ですので、どう取り扱うも自由。旅の情報を多めにまとめたフィールドノート風の書籍に仕上げました。掲載種は有名な種から、流通も一切ない貴重な種まで揃えた以下のとおりです。

クロイワトカゲモドキ Goniurosaurus kuroiwae

クロイワトカゲモドキ Goniurosaurus kuroiwae

クロイワトカゲモドキ Goniurosaurus kuroiwae

 

 

バクボトカゲモドキ Goniurosaurus lichtenfelderi

バクボトカゲモドキ Goniurosaurus lichtenfelderi

バクボトカゲモドキ Goniurosaurus lichtenfelderi

 

 

カットバトカゲモドキ Goniurosaurus catbaensis

カットバトカゲモドキ Goniurosaurus catbaensis

カットバトカゲモドキ Goniurosaurus catbaensis

 

 

【失敗談】マレーキャットゲッコー Aeluroscalabotes felinus felinus

マレーキャットゲッコー Aeluroscalabotes felinus felinus 失敗談

 

 

ボルネオキャットゲッコー Aeluroscalabotes felinus multituberculatus

ボルネオキャットゲッコー Aeluroscalabotes felinus multituberculatus

ボルネオキャットゲッコー Aeluroscalabotes felinus multituberculatus

 

 

ヒョウモントカゲモドキ スミス亜種 Eublepharis macularius smithi

スミスヒョウモントカゲモドキ Eublepharis macularius smithi

スミスヒョウモントカゲモドキ Eublepharis macularius smithi

 

 

ソメワケトカゲモドキ Eublepharis pictus

ソメワケトカゲモドキ Eublepharis pictus

ソメワケトカゲモドキ Eublepharis pictus

 

 

サヤツメトカゲモドキ Coleonyx elegans

サヤツメトカゲモドキ Coleonyx elegans

サヤツメトカゲモドキ Coleonyx elegans

 

 

セキヨウトカゲモドキ Coleonyx fasciatus

セキヨウトカゲモドキ Coleonyx fasciatus

セキヨウトカゲモドキ Coleonyx fasciatus

 種の説明→どんな国どんな地域か→フィールドに向かう→ハビタット説明→発見、という流れで書いています。販売はイベントのみ。2025年に既に販売開始しておりますが、2026年も複数のイベントに出品予定です。おそらく2026年に売り切りとなります。

 野生のレオパしかもスミス亜種や、ヒガシインドの片割れであるソメワケ、ロカリティ情報ないと見分けのつかないバクボの正真正銘写真、幻のコレオニクスであるセキヨウなど内容は言うまでもなくですので、コアなトカゲモドキ好きならば持っておくべき本になってます。

 活動中には、危険だから辞めさせろと怨嗟の声が届くほど(自分がやりたくてもできないことをやろうとしてる人に、自分と同じ理由で諦めて欲しい心理はわかりますけどね)とも重ねて書いておきます。

 ぜひイベントで覗いてみていただければ。出展イベントはサイト⇩に記載します。

www.ones-habitat.com

バクボトカゲモドキを現地観察する

バクボトカゲモドキ

(スベノドトカゲモドキ

Goniurosaurus lichtenfelderi

 ハイナントカゲモドキと極めて近縁で、見分ける術も目の周りの鱗の数を数える(どっちにも含まれる中間領域あり)という状況です。しかも、ハイナンの方が先に流通し、そして有名すぎたためハイナンとして流通したバクボがいるとも言われています。

ハイナン:海南島ロカリティ付き本物・ロカリティ不明・交雑可能性あり・トリコがそもそもバクボを知らないことやハイナンが有名だからインヴォイスにハイナンが使われる等々の混沌とした状態

バクボ:ベトナム便で入ってきた等で、ちゃんとバクボがバクボのインヴォイスにて取り扱われていることが多いようで、数は少ないがバクボ売りされたものはバクボである可能性が高い(ここ数年流通なし)

といった感じみたいです。

 つまりは、

①目の周りの鱗がハイナンではない数の個体で、交雑可能性が低いWCまたは同便WCから得られたCB

②遺伝子解析にかけて証明された個体

③信頼のおけるベトナムロカリティ個体

でなければバクボだと胸を張れないわけですね。

 とすれば、とる手段は私にとっては1つ。ベトナム現地に行って正真正銘のロカリティである野生の個体を見れば良いということ。

 情報がなかなかなかったので、論文と勘を頼りにポイント選定し、1人で海外の夜の山に突入して見つけてきました。

Goniurosaurus lichtenfelderi

 そんな内容が複数種掲載されている自主制作本を販売しています。詳細はホームページの方にまとめてますので、ご興味があればぜひ。リンクは以下です。

www.ones-habitat.com

アシナガオカヤドカリ Coenobita longitarsis

アシナガオカヤドカリ

Coenobita longitarsis

 本種は記載論文が不明瞭な内容だったため、有効種として放置されつつも個体差によるいずれかの種か海産種の誤認等によるものだと考えられていました。

 しかし、2023年に再整理した論文が出たことでしっかりと独立したオカヤドカリ属種であることが認識され、オカヤドカリ界隈を沸かせたことは記憶に新しいです。なお、論文における標本の情報は、モルッカ諸島から採集されたメス2個体をシンタイプとし、それから100年越しにパプアニューギニアやニューブリテン島、シブヤン島から追加が得られたというもの。どの島も極めて行きにくいことに加えて、稀種であること、そしてオカヤドカリ C. cavipesとの見分けが高難易度であることから、そうそう現物を拝むことはできないオカヤドカリ属最難関種であることがわかります。

 ただ、カケラばかりの希望が論文に書かれていました。「ある本に載っているグアムの個体が本種の特徴を有している。」標本の得られた島の位置や海流を踏まえると、グアムにいてもおかしくはありません。であれば、渡航難易度だけは下がります。しかし、問題の本質はそこではなく。。。グアムは筆者が何度も渡航してオカヤドカリ科を観察しているにも関わらず、これまでにオカヤドカリ C. cavipes(当時は隠蔽があるとは梅雨知らず)と認識した個体は1個体しか見たことがないほどの稀少さであり、見分けるとかいう以前にサンプルが出ないのです。

 行っても出ない可能性が極めて高いなかで、意を決して2023年11月に赴き、、、不発。再度リベンジということで2024年7月に赴き、、、敗北。2度も頑張って全く手応えすらない状態だったため諦めざるを得ないと判断しました。

 ところが、旅行という形で2025年9月に再度グアムへ赴くことになりました。折角だし、夜にちょろっとホテル裏の海岸林くらいは探そうとかなと言いつつ本格的な装備を用意しているのは性なのでしょうね。するとどうでしょう。その日は条件が良かったのか信じられない数のヤシガニが活動しているではないですか。至る所でヤシガニがガサガサしている中で、ふとポトスの葉の上にてカタツムリの貝が見えました。まさか、と近づくと脚が見える。グッと寄るとそれはよく南西諸島で見たオカヤドカリ C. cavipesとそっくりな幼体でした。

Coenobita longitarsis

 写真を何枚か撮り、捕獲してオスであることを祈りながら少し身を引き出す。オスだ。しかも、生殖突起が極めて短い。

Coenobita longitarsis

 幼体であるため、他の特徴での判断が難しいものの、極めてアシナガオカヤドカリ Coenobita longitarsisと言って良い個体でしょう。バチッとわかりやすい成体(大型個体)も見たいため、滞在期間中は毎日探してみたものの、やはり追加は得られませんでした。まぁ幼体とはいえ、極めて嬉しい成果です。3度も渡航してようやくという希少性。なかなかハードでした。

 

 太平洋に関するオカヤドカリの本を自主制作しました。以下のリンク先で販売していますので、ぜひご検討ください。

oneshabitat.theshop.jp

トゲヤマガメ

トゲヤマガメ

Heosemys spinosa

トゲヤマガメ

 クアラルンプール近郊のジャングルにて、キャットゲッコーを探す中で遭遇しました。標高200mくらいの沢にて、なんか岩が動いているな?と思ったらカメでした。棘も削れて丸々とした立派な個体で、大分年齢はいってそうです。色味は落ち葉にも岩にも近いため、結構カムフラージュできていると思います。動かなきゃ気付けないです。

トゲヤマガメ

 トゲヤマガメはコンスタントに入荷されているため、ショップなりイベントなり行けば見かけることの多い種です。しかし、野外ではインドネシアの奥地とかでない限りなかなか見ることが難しいらしく、街近くで見ることができたのはレアケースみたいですね。とはいえ、見たかったキャットゲッコーはここでも現れず...

テルシオペロ

ルシオペロ

Bothrops asper

テルシオペロ

 中米から南米の北部にかけて分布し、その域における最も危険な毒蛇と評される程有名なヘビです。その理由が熱帯雨林から人里まで広く分布するため、家屋内にも侵入してくることが珍しくないにも関わらず、極めて毒性が強いという点にあります。しかも動きが速く避けにくいというのもタチが悪い。体色も林床に紛れる地味なもので、熱帯雨林を活動する我々にとっても要注意な毒蛇として知っておくべき代物と言えるでしょう。

ユカタン半島の林道

 今回ユカタン半島でサヤツメトカゲモドキを探す中、道を塞ぐ大きな水溜りを避けようとしたところ傍の草陰に潜んでいるのを発見しました。これは気付かずに踏みかねないと肝を冷やしつつ、見たかった蛇でもあったため心は熱くなりました。まだまだ小さな個体であったものの、咬まれたら命に関わります。慎重に写真を撮りつつ、遭遇できた喜びを噛み締めました。

トカラ列島宝島におけるオカヤドカリ Coenobita cavipes の初記録と種の北限の更新

トカラ列島宝島におけるオカヤドカリ Coenobita cavipes の初記録と種の北限の更新

笹塚諒, 2024. オカヤドカリ: Land Hermit Crab in Pacific Rim. ジェイズ・エンタープライズ, 東京. 82pp.

ISBN978-4-600-01494-0

oneshabitat.theshop.jp

www.ones-habitat.com

 本書にて、標記の短報を掲載しております。 ちゃんとISBNを取得した書籍であるので、素人の雑記ではなく短報としての体裁は担保しています。

トカラ列島宝島のオカヤドカリ

 オカヤドカリ Coenobita cavipes Stimpson, 1858はムラサキオカヤドカリ・ナキオカヤドカリに次ぐ日本における普通種であり、奄美大島を種の北限として記録されています。オカヤドカリ科は幼生期をプランクトンとして生活するため、海流によって分散します。今回、トカラ列島宝島でオカヤドカリC. cavipesを複数個体発見したため、種の北限を記録しました。

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Coenobita clypeatus カリブオカヤドカリ

カリブオカヤドカリ(仮)

Coenobita clypeatus

Coenobita clypeatus カリブオカヤドカリ 本種は大西洋の西側に分布する唯一のオカヤドカリ科です。アメリカ合衆国フロリダ半島等)にも分布するということもあり、アメリカにおけるオカヤド飼育のメイン種として知られています。Wikipediaのメイン画像は昔から本種ですし、海外の飼育アイテム類のパッケージにも本種が用いられることが多いです。

 しかし例の如く殆どの日本人オカヤドファンは現物を見たことのない本種をその目で見るため、現地へ探しに行ってきました。分布は広いのでどこへ行くかは悩みどころでしたが、トカゲモドキとの親和性を考えてカンクンをチョイスしました。カリブ海も堪能したかったですし。現地では想定外の事象が重なりに重なって、行けば居るのにフィールドへなかなかアクセスできないという苦労を多分に味わうこととなりました。とはいえ、焦りつつも最終日になんとか叩き出すことができました。

Coenobita clypeatus カリブオカヤドカリ

 パープルピンチャーとも呼ばれているとおり、これまた本種に独特の紫を鉗脚に呈していますね。歩脚の暖色と相まって惚れ惚れする美しさです。見に来て良かった。とまぁ、語りたいことは色々ありますが、これもまた別の機会に。

 

 大西洋にまで足を運び始めていますが、太平洋に関してのオカヤドカリ本を自主制作して販売しています。以下リンクからご確認ください。

oneshabitat.theshop.jp