One's habitat Blog

ホームページ「One's habitat」の付属ブログ。何屋かと訊かれたらオカヤドカリの人です。無断転載ダメ。

コムラサキオカヤドカリ分布北限更新

コムラサキオカヤドカリ分布北限の更新

Coenobita violascens

 コムラサキオカヤドカリはインド洋から太平洋の熱帯亜熱帯域に広く分布する陸棲甲殻類で、日本が分布の北限となっています。その中でも沖縄県教育委員会の調査で沖縄本島が北限であると報告されていましたが、今回2020年7月の徳之島遠征で当歳と思われる個体を複数見つけることができました。これにより種の北限の更新と、鹿児島県にて確認されているオカヤドカリ種の追加となりました。

コムラサキオカヤドカリの分布

 正直、奄美群島コムラサキオカヤドカリが1匹もいないわけはないと思っていましたが、なかなか渡航機会を得られずただそう思っているだけになっていました。しかし、話の流れで2泊にて徳之島へ行くことになり、そのうち1晩はソロということでこの機会は逃せないとちょっと本気を出すことにしました。そもそも本種は低温耐性が低い上に要求環境が他の種より狭いため、沖縄本島でも稀種です。そのため、ポイント選定をしっかりとして1日でケリをつけられるよう準備して行きました。いざポイントに着くとムラサキオカヤドカリやナキオカヤドカリの当歳個体がいるわいるわで、やはり優先種は言うまでもなくこの2種ですね。しかし根気良く小さなオカヤドカリ達を片っ端から眺めていったところ、求めていたものが見つかりました。そして、意気揚々とこの後海岸林に移動したところで次はヘビの短報ネタを拾うことになるとは思いもよらず、、、。

 報告は以下のリンクにて出版済みです。和文ですので興味があればぜひ。
徳之島初記録のコムラサキオカヤドカリ - Fauna Ryukyuana(59)