One's habitat Blog

ホームページ「One's habitat」の付属ブログ。何屋かと訊かれたらオカヤドカリの人です。無断転載ダメ。

アカツキオカヤドカリ Coenobita pseudorugosus

アカツキオカヤドカリ

Coenobita pseudorugosus

Coenobita pseudorugosus

 タイプロカリティのフィリピン セブ州で探してきました。本種を撮るためだけにフィリピンでソロ海外遠征をしてきたという感じです。本種は学名からわかるとおりナキオカヤドカリに非常に形態が近似しており、オスの生殖突起(精管)+αを見ないと種判別できません。

野犬

 フィールドへ出るにも、フィリピンは人と野犬が多いです(どの島でもそうだとは思います)。どこに行っても人がおり、色んなところに家が建っているので、生き物探しのできる環境が全然なかったです。そして下手に茂みに入ると野犬を刺激する可能性があるので悪手になります。もちろんフィリピンは狂犬病エリアです。さらにパブリックビーチは人がいすぎてオカヤドカリ類がおらず(めちゃくちゃ現地の人に絡まれるんで探すどころでもない)、良い感じの環境は高級ホテルのプライベートビーチか人の家の敷地といった感じでした。フィリピン旅行に行った知り合いにオカヤドカリ類を見たか訊くと、いなかったよという答えが殆どだった理由がよくわかります。それに夜1人で彷徨くのも治安の問題で本当はやらない方が良いわけで。ということで3泊のフィリピン遠征でしたが、まともにフィールドできたのは1晩のみ。しかし、そこで何とか目的を叩き出せたのは不幸中の幸いでした。

Coenobita pseudorugosus

 その何とか辿り着けたポイントでは、ナキオカヤドカリアカツキオカヤドカリ、オオナキオカヤドカリコムラサキオカヤドカリが見れました。何となく模様に違和感を感じるナキオカヤドカリを拾ってはオスの生殖突起を見るという作業を繰り返してアカツキを炙り出す感じでした。確かにオスの生殖突起の右側が左よりも細長く、ナキとは違いました(写真は作品に載せます)。ゲニ抜きしなきゃわからない虫をやってる人ってこんな気持ちなのかなと思いましたね。

ともあれ無事目的達成できたフィリピン遠征でした。ちなみにシーフードは言うまでもなく美味しかったです。トラフシャコが特に絶品。