One's habitat Blog

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ツシマカブリモドキ

ツシマカブリモドキ

Damaster fruhstorferi

ツシマカブリモドキ

 ツシマカブリモドキは日本に分布する唯一のカブリモドキ類で、対馬が大陸の生態系を色濃く残していることを示す生物種の1つです。その立ち位置、そして非常に美しい構造色は言うまでもなく人気の要素で、対馬遠征をする虫屋の目的の一つとして必ず挙がる種だと思います。採集方法は例に漏れずベイトトラップが有効ですが、そんな面倒なことをせずにルッキングで見つけたいと思うのは考えが甘いのでしょうか。

ツシマカブリモドキ

 アカマダラを探しつつ林道の側溝を覗いていると、大きめの虫がそこそこの速さで歩いているのが見えました。ライトに反射してキラリと光るエリトラの縁で、探していたものだと判明。刺激を与えると臭い汁を出すため、すぐ掴みたい気持ちを抑え、触れずにケースへ移しました。ヘビとかもそうなんですけど、防御の臭い汁が手につくとなかなか臭いが取れなくてテンション下がるんですよね。手間でも回避できるものは回避するに限ります。しかし、角度によって金色〜黄緑色〜赤色に変化する美しい構造色は感動ものです。南西諸島とは一味違う、対馬でしか見れない魅力的な生物たちは一見の価値ありと本当に思います。