ジュエルオーキッド
Jewel Orchid
宝石蘭
蘭は花を楽しむものが一般的ですが、葉を楽しむものも存在します。葉に美しい網目模様や筋が現れるそれらはジュエルオーキッドと呼ばれています。背の低い常緑性多年草で、ロゼット状に葉を展開します。子株を生やして殖えますが、花ももちろん咲かせます。植物として常軌を逸した葉の美しさで、私としてもかなりのお気に入りジャンルです。ジュエルオーキッドは東南アジアを中心に分布しており、熱帯雨林の林床に生えています。というわけで、遠征へ行った際に見ることができたジュエルオーキッド達を紹介したいと思います。これかなという属名も一緒に書いておきますが、大概あてにならないのでご了承ください。
Macodes
ジュエルオーキッドの代表種マコデス ペトラと同属というか、多分ペトラだと思います。葉の網目模様はキラキラとしており、まさにラメを散らしたかのよう。写真での表現は難しく、実物を見てもらいたいですね。初めて見ると本当に感動しますよ。作り物かと思うほどに、葉っぱが自然にこう色付いたとは思えない美しさです。
Dossinia
多分ドッシニア、、、。上のマコデスの大株の可能性もかなり高いですが、気持ちドッシニア感があるようなないような。本属は丸く大きい葉を持つ種が多く、網目模様も細かい印象を持ちます。迫力があるタイプですね。この写真が、初めて東南アジアで見つけたジュエルオーキッドでした。おおおっ!ジュエルだ!っとなったのですが斜面に生えており、近づいて見ることができませんでした。下から斜面を見上げる感じで眺めるだけという。とはいえ、遠くからでも異色の美しさがわかりました。
Vrydagzynea tristriata
鮮やかな赤い筋を持っておりますが、ジュエルの中では地味な方ですね。葉も細めで控えめです。なによりラメがないのは個人的にマイナスポイント。なんとも勿体無い。日本でもボチボチ流通ある種みたいですね。
Anoectochilus
私が最も好きな属です。葉の形もラメの乗り方も色彩も全部良い。これを見つけた時は本当に引き込まれました。亀裂から夕陽が洩れているかのよう。散らない豪華な紅の葉です。ほんといいなぁこれ。
Kuhlhasseltia
ちょっと異質なジュエルオーキッド。葉に目立った模様は出ず、縁を白く囲まれています。一見地味だが奥ゆかしい、上品な美しさのある種です。この属はなかなか珍しいみたいですね。かなり林床に紛れるので数がというより見つけられてない感じだと思います。私は派手なのが好きなタイプなのですが、これはなぜかかなり惹かれましたね。
見ることのできたジュエルオーキッドはこんな感じでした。派手なんで簡単に見つかる、、、と思うじゃないですか。これが実際なかなか見つからないんです。近くでだと派手なのですが、林床にはかなり紛れます。赤系も目立つように思えても、落ち葉と遠目大差ないです。八重山のカゴメランみたくほいほい見つかる感じにはならなかったですね。まぁそんなだからこそ、落ち葉に埋もれながら煌めいている姿を目にした際は他の植物より嬉しかったりします。