One's habitat Blog

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タケオオツクツク

タケオオツクツク

Platylomia pieli

埼玉県で確認されるようになった中国原産の外来セミ。日本のセミにはない竹依存の種で、竹林に産します。騒がれてすぐに観に行くのはあまりよろしくないのですが、来年は関東を離れる可能性があるので今年中に確認せねばと行ってきました。駅を出てすぐに既に聞いたことのないセミの鳴き声が聞こえ、あーこれか!と。夕刻に一斉に鳴くタイプで、ヒグラシの鳴き声が掻き消されている、、、。このような部分で他種のセミに影響がないのでしょうかね。全長は日本にいるセミの中で最長級と聞いていたので、どんなものか気になります。

In recent years, a new alien cicada species has been confirmed in Japan.  This species is Platylomia pieli. P. pieli is native to China and is distributed in bamboo grove. Singing all together in the evening, giving out a sound like a machine.

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 高所で鳴く種なようで、鳴き声は聞こえてもなかなか視認することができませんでした。竹林周辺をウロウロしているとようやく竹林脇の樹木で鳴いている姿を確認と撮影することができました。空が曇っていたので暗く、さらに高いのでストロボ直当てで無理やり撮影したのですが、なかなか酷い写真ですね。これではサイズもわからないので、羽化個体を狙うことにしました。近くの川を覗いて時間を潰しているとタケオオツクツクも鳴き止み、日はとっぷりと沈みました。竹林周りで幼虫を探し始めると周辺樹木でノコギリクワガタやカブトムシが見つかり、そっちに気を取られてしまったのが不覚。気がついた時には幼虫達は羽化を始めていました。幼虫を撮り損ねた。まぁ、カブクワ探しも楽しかったので良いのですが。撮影スタンドを出し、タケオオツクツクの羽根が伸びるのを待ちます。

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羽化して羽根が伸びた姿は確かに大きく、形態も日本のセミではない迫力を持っていました。しかし、なんというか思っていたよりも、、、? この既視感の正体は、Platylomia spinosaをサラワクで見ていたことでした。同属でもう少し大きなセミを過去に手に取っていたためインパクトが押し殺されていました。細長い形態や腹弁の形はP. spinosaにとても近かったです。日本における竹林生態系は非常に薄いので、競合なども考えられにくく影響はほぼないとの評価もされているようですが、単純に鳴き声がうるさい。騒音被害として人間の生活に影響はありますし、郊外の高速道路路肩には竹林が多く存在するので、そこに広がったらどうなるか恐ろしく感じます。