One's habitat Blog

ホームページ「One's habitat」の付属ブログ。何屋かと訊かれたらオカヤドカリの人です。無断転載ダメ。

Begonia pavonina

ベゴニア パヴォニナ (パボニナ)

Begonia pavonina

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葉の色は緑ですが、光を鮮やかな青色に反射するとても美しい植物です。見つけた時は、これが噂に聞く青ベゴニアか!とかなりテンション上がりました。ストロボを強めに当ててみたらこの通りです。薄暗い林床に現れる鮮やかな青色には目を奪われます。こういう青い植物大好きなんですよ。セラギネラとかも言うまでもなく好きですし。

とまぁ、ここで疑問に思いますよね。なんで青いの?と。これに関する論文が2016年に出ていました。植物は日光を葉緑体で捉えて化学エネルギーに変換し光合成を行います。青く反射する植物は、イリドプラストと呼ばれる特殊な葉緑体を持っています。イリドプラストは精密に規則的な内部構造を持っており、430~560 nmの波長の光(青色〜水色〜緑色)を反射します。薄暗い熱帯雨林の林床には波長の長めな光(緑〜赤)が主に届き、この特定の波長を効率よく吸収する必要があります。イリドプラストは特定の波長を光合成組織へ集中させ、光合成効率を向上させる機能を持っていることが明らかになりました。光の乏しい環境への適応のため、特殊な葉緑体を持つようになったと考えられております。青く反射する植物はこのイリドプラストを葉の表層に有するため、光の角度で青く輝いて見えるというわけですね。詳しくは《 Photonic multilayer structure of Begonia chloroplasts enhances photosynthetic efficiency 》を読んでみてください。

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群生しており、場所によっては一面を覆うほどでした。ベゴニアは葉挿しで殖えることもできるので弱い植物じゃないですもんね。にしても本当に綺麗な草だなぁ。