One's habitat Blog

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イキシマカワリヌマエビ

イキシマカワリヌマエビ

Neocaridina ikiensis

イキシマカワリヌマエビ

壱岐島長崎県壱岐市)より発見され、2017年に記載されたカワリヌマエビ属の一種です。なんだかんだ日本のネオカリはミナミヌマエビやらイシガキヌマエビやらと属名が含まれない和名を付けられていましたけど、今回はカワリヌマエビがちゃんと入れられてますね。現在壱岐島でのみ発見されており、壱岐固有種となっていますが、壱岐島は地史的に浅いため壱岐で分化したわけではない可能性が高いと考えられます。つまり九州本土にも分布している可能性があります。しかし、もし本土で既に絶滅していれば壱岐のみの分布になりますね。遺伝子解析により本州のミナミヌマエビや大陸のカワリヌマエビ属種と明瞭な差異が出たとのことですが、例に漏れず外部形態での種判別は困難を極めます。

ミナミヌマエビと比較すると、サイズは同程度もしくは小型で、額角も短いです。眼柄後方の額角棘は2〜4程度。あとは、、、よくわかりません。大きめな個体が見つからず、体色は薄茶色の個体が多く、額角が短い、壱岐島で採れたネオカリはイキシマカワリヌマエビってことだと思います。

Neocaridina ikiensis

小川や農業用水路で見つかっており、場所によっては両側回遊性のヌマエビ類と同所に生息しているようです。今回記載論文に示されていた場所と、論文に示されていない新しい場所で確認できました。この新しいポイントに関しては短報でも書こうかなと思ってます。稚エビも多く確認できたので、しっかり個体数が維持できている感じですね。壱岐虫屋ノコギリクワガタやイキヒラタクワガタを採りに行くくらいで、他の生き物屋はなかなか足を踏み入れない地ですので記載から2年経っても全く情報が増えなかった種でした。壱岐島いいところですよ。ウニと壱岐牛めちゃくちゃ美味しいですし、海は予想以上に美しかったです。