One's habitat Blog

ホームページ「One's habitat」の付属ブログ。何屋かと訊かれたらオカヤドカリの人です。無断転載ダメ。

ボルネオキャットゲッコー

ボルネオキャットゲッコー

Aeluroscalabotes felinus

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キャットゲッコーのボルネオ個体群。普通に亜種もしくは別種に分けていいくらいには差異があると思いますよね。大きく3集団あると考えていますが、一部中間形質のものもいるので難しいです。ここの分類を再検討した論文とかも出てるようなので、気になる方は調べてみてください。実はこの3集団の生息地に訪れているんですが、見つけられたのはボルネオだけです。リベンジしないと。意地でも見つけてやりますよ。見つけられたら論文話も含めて長ーく語りたいですね。

2017年にボルネオを訪れた際に前半を山、後半を川に分けた日程を組んだのですが、前半の山での狙いはこのボルネオキャットゲッコーでした。茶色くて地味で死にやすいトカゲモドキと思ってそこまで興味がなかったのですが、イベントで実物(マレーキャット)を見てそのトカゲモドキの中でも独特な可愛さに一気に引き込まれました。ボルネオ遠征を計画する際に、カリノテトラオドンだけじゃなくこっちも狙ってみたいと思い日程を分けて山も追加。ポイント探しも自身のカンを頼りに進め、目星をつけました。案内や他人のポイント情報には頼りません。自力で見つけてやります。国立公園は制約が多いので除外。山での宿泊は3泊。3回の夜で勝負を付けなくてはなりません。同行者はフィールド慣れしていない者で、夜にジャングルへ入ることを拒絶しました。私も意見を汲んで夜はジャングル周りを歩くだけにしました。1晩2晩となかなか面白い成果は出ますが、キャットの気配は全くしません。ジャングルに入らないとダメなのか。そもそもここにはキャットはいないのか。そんなことを考えながら訪れた3晩目。最後の最後に少しだけホソユビヤモリがいたポイントへ向かおうとしたら、足元で動く四つ足の生き物が視界に入りました。

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一瞬で脳が答えを出しました。キャットだ!!!叫んだ。これまででTOP3に入るほどの嬉しさでした(2017年3月時点)。本当に見れた。最後の最後にこっち行こうとして良かった。再生尾であるが、最大に近いサイズの大きなオス個体でした。ボルネオキャットゲッコーの特徴であるグリーンアイと、背中に走る白線、、、白線?白点はあるが、線ではない。老成すると線が消えるなんてこともあるのかな。とかなんとか考えながら手に乗せました。沖縄でのクロイワトカゲモドキは、天然記念物であるため触れないので野生のトカゲモドキを触ったのはこれが初です。いやぁ最高の気分だ!と宿に戻り、山最後の晩を締めくくりました。しかし、人の欲は際限を知りません。日本に戻ってきて思いました。完全尾のボルネオキャットゲッコーを見たい。そして次の遠征では夜にジャングルへ入ることを誓いました。この次の海外遠征がマレー半島ソロ遠征(キャット2集団狙い)で一人で夜の熱帯雨林を歩き回り様々な経験をするのですが、またそれは別の記事(マレーテナガコガネの欠片 - One's habitat Blog)で。

2018年9月再度ボルネオに降り立ち、山へ向かいました。今回も山は3晩。ですが、夜にジャングルへ入るため気持ち的に余裕があります。1晩目は出ませんでしたが、2晩、3晩と見ることができました。目的の完全尾で満足。ジャングル内での行動や環境を見れたことも嬉しい成果です。ここで気づきました。見れた数は少ないですが、全て背中の目立つ白線はなく、白点でした。もしかしたらここの個体群は白点形質なのかもしれませんね。まぁ、もっと数を見ないことにはなんとも言えませんが。そしてかなり真剣に探していますが、なかなか数が出ません。もちろん体色が体色ですので見落としていることも多いと思いますが、クロイワトカゲモドキのようにポンポン見つからないです。国産ゴニ結構簡単に見つかるからキャットも現地行けば楽勝でしょ?なんて甘いこと言わないでくださいね。生息してる環境もそもそも違いますし。

On this trip, I could see Borneo Cat Gecko a little. I roamed a foreign jungle late at night. Looking for brown color geckos with a brown reaf jungle background is difficult if you don't get used to searching geckos. 

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ということでボルネオキャットゲッコーは目的に沿って見ることができました。取り敢えずボルネオには一区切りつけて、次はマレー半島を攻めていきたいと思います。マレーリベンジです。今回探し方のコツも少しわかったので滾りますね。今の所行ける目処は立っていないのですが。。。